3月5日(水)、群馬県の公立高校入試の合格発表がありました。
塾生からも合格の知らせが届き、喜びとともに肩の荷が下りてほっとしています。
今回の入試では、全日制課程およびフレックススクールを合わせた63校で1万614人が合格。また、3校で実施された連携型選抜の合格者21人を加えると、合格者総数は1万635人となりました。募集定員に対する充足率は93.0%で、31校が再募集を行うことになり、募集人員は合計815人と発表されています。つまり、公立高校のおよそ半数が定員割れを起こしている状況です。
定員割れを起こす公立高校は年々増えています。
その原因としては、少子化や昨年の入試制度変更など、さまざまな要因が考えられます。
さらに、この状況に拍車をかけそうなのが、最近決まった「高校授業料無償化」です。(実際は「支援金」という形で支給され、一部の私立高校では補助にとどまる場合もあります。)
2025年4月から、公立・私立を問わず、一律に年間11万8800円の就学支援金の所得制限が撤廃され、公立高校の授業料が実質無償化されることになりました。
また、2026年4月からは、私立高校向けの加算支援金の上限額にかかる所得制限も撤廃され、全国平均の授業料である45万7000円まで引き上げられることが決定しています。
この金額を考えると、群馬県内の私立高校の授業料(その他の諸経費を除く)は十分に賄えることになります。
私立高校に子どもを通わせている家庭にとっては朗報と言えるでしょう。
1週間ほど前に行われた各種メディアの調査でも、半数以上の人がこの政策に賛成と答えているようです。
こうした状況を踏まえると、設備が充実し、公立よりも入試時期が早い私立高校を志望する生徒が増える可能性があります。結果として、公立高校の定員割れがさらに加速することも考えられます。
実際、無償化を先行実施した大阪府や東京都では、公立高校の定員割れが増加しているという報道もあります。
個人的には、私立高校に通う生徒への授業料支援には賛成です。ただし、公立と私立の公平性や、支援対象となる生徒の資格条件について、もう少し議論を重ねてから決定してもよかったのではないかとも思います。
公立と私立の公平性、公立高校の存在意義、税負担の問題など、高校授業料無償化をめぐる議論にはさまざまな論点があります。これは子どもだけでなく、大人こそ真剣に考えるべき問題ではないでしょうか。
お忙しいとは思いますが、ぜひ一度、考えてみてください。
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